このページは、看護師・薬剤師の転職や働き方を考えるときに前提となる数字を、政府・公的団体の一次統計だけで整理した資料集です。転職サイトの独自集計や推計値は使っていません。すべての数値に調査名・時点・出典リンクを付けています。統計は公表のたびに更新し、ページ末尾に最終確認日を記載します。個別の記事で使っている数字の「元データ」も、すべてここにまとまっています。
看護師は何人いるのか
厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)」(2024年12月31日現在、2025年7月29日公表)より。
| 職種 | 就業者数 | 前回(2022年末)比 |
|---|---|---|
| 看護師 | 1,363,142人 | +51,455人(+3.9%)・調査開始以来最多 |
| 准看護師 | 233,022人 | −21,307人(−8.4%) |
| 保健師 | 63,536人 | +3,237人(+5.4%)・調査開始以来最多 |
| 助産師 | 38,721人 | +658人(+1.7%) |
4職種の単純合計は1,698,421人です(厚労省が「合計」として公表している数値ではなく、当編集部の計算値)。
注目したいのは方向の違いです。看護師が過去最多を更新し続ける一方で、准看護師だけが8.4%減と大きく減っています。看護職の構成は、准看護師から看護師へと明確に移っています。
就業場所の内訳(看護師): 病院65.7%(895,944人)、診療所14.3%(194,665人)、介護保険施設等7.9%(107,984人)、訪問看護ステーション6.7%(91,022人)、社会福祉施設2.1%(28,093人)、看護師等学校養成所・研究機関1.2%(16,790人)。約3人に1人はすでに病院の外で働いています。
男性看護師は118,068人(8.7%)。2014年(平成26年)の6.8%から一貫して上昇しています。
出典: 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)」
看護師の夜勤手当と離職率
日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月31日公表)より。
夜勤手当(1回あたりの定額手当・平均)
| 勤務形態 | 2025年調査 | 2010年 |
|---|---|---|
| 二交代制夜勤 | 11,470円 | 10,745円 |
| 三交代制・準夜勤 | 4,300円 | 4,077円 |
| 三交代制・深夜勤 | 5,211円 | 5,053円 |
協会自身が指摘しているとおり、夜勤手当の水準は15年間ほぼ横ばいです。夜勤手当は回数×単価で決まり、勤続で単価が上がる設計にはなっていません。「看護師の給料が頭打ちに感じられる」構造の中心にある数字です。
離職率(2024年度): 正規雇用看護職員11.0%、新卒採用者8.4%、既卒採用者16.1%。新卒の離職率は2005年度以降おおむね7.5〜10.3%で推移しており、おおよそ12人に1人が1年目のうちに職場を離れています。

薬剤師は何人いるのか
厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計」(2024年12月31日現在、2025年12月23日公表)より。
届出薬剤師の総数は329,045人(前回比+5,355人・+1.7%)。従事先の内訳は次のとおりです。
| 従事先 | 人数(構成比) | 前回比 |
|---|---|---|
| 薬局 | 197,437人(60.0%) | +6,702人(+3.5%) |
| 医療施設(病院・診療所) | 63,290人(19.2%) | +827人(+1.3%) |
| うち病院 | 57,595人 | 増加 |
| うち診療所 | 5,695人 | −183人(−3.1%) |
| 医薬品関係企業 | 34,184人(10.4%) | −2,902人(−7.8%) |
| 大学 | 5,011人(1.5%) | +109人 |
薬局が3.5%増える一方で医薬品関係企業は7.8%減(うち店舗販売業は−17.2%)と、薬剤師の職場は調剤の現場側へ寄る方向で動いています。男女比は男38.0%・女62.0%、全体の平均年齢は46.9歳です。
施設別の平均年齢: 病院42.5歳・薬局46.8歳・診療所58.4歳。病院は全施設で最も若い集団で、若いうちに病院で経験を積み、年齢とともに薬局などへ移る人の流れが年齢構成に表れています。
出典: 厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計」
薬剤師の給与(全体平均)
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2025年6月分賃金)より。薬剤師(男女計・企業規模計10人以上)の、きまって支給する現金給与額は月39万8,700円、年間賞与その他特別給与額は88万3,500円。単純に年収換算するとおよそ570万円です(平均年齢40.1歳・勤続8.6年)。短時間労働者(パート等)の薬剤師は1時間あたり所定内給与2,540円です。
なお、業態別(薬局・病院・ドラッグストア別)の賃金を直接比較できる政府統計は公表されていません。業態間の給与差について断定的な数字を見かけた場合、それは民間の独自集計である可能性が高いことに注意してください。
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(e-Stat掲載の職種別第1表・短時間労働者第1表)
薬剤師の地域差
同じく「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計」より。人口10万人あたりの薬局・医療施設従事薬剤師数は全国平均210.6人。最多の徳島県256.6人から最少の沖縄県155.3人まで、約1.6倍の地域差があります(福井県170.4人、青森県175.5人なども低位)。
国はこの偏りを政策課題として扱っており、「薬剤師確保計画ガイドライン」(令和5年)で地域偏在・業態偏在(特に病院薬剤師の不足)を明記し、都道府県ごとに薬剤師偏在指標・薬剤師少数区域を設定しています。地方の薬剤師求人の条件が良く見えやすい背景には、この需給の構造があります。
紹介手数料の相場——転職サイトは誰からいくら受け取るか
転職エージェント・紹介会社は、採用が決まると採用側(医療機関・薬局等)から紹介手数料を受け取ります。厚生労働省の公表資料から、その水準がわかります。
- 看護分野: 紹介1件あたり全国平均63万9千円(職業紹介事業報告・令和5年度実績)。令和元年の調査では、看護師・准看護師の手数料は平均91.8万円で、賃金(年収479.9万円)に対する割合は19.1%
- 薬剤師: 採用1件あたり平均122.5万円、平均年収543.6万円に対する割合22.5%(令和元年調査)。決定年収帯別の平均手数料率は22.6〜26.6%
つまり、**紹介手数料はおおむね「決定年収の2割前後」**が実勢です。担当者が入職を後押しする力学の背景にはこの構造があります。当サイトがエージェント記事で「仕組みを理解して主体的に使う」ことを勧めるのは、この数字が前提です。
出典: 厚生労働省・職業紹介事業に関する公表資料/医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査(令和元年)
よくある質問
このページの数字は引用できますか?
数値の原典は、各項目に記載した政府・公的団体の統計です。引用の際は原典(厚生労働省・日本看護協会等の該当調査)を出典として明記してください。当ページの整理や解説の部分を参照いただく場合は、白衣キャリアへの言及・リンクをいただけると幸いです。
どのくらいの頻度で更新されますか?
もとになる統計の多くは1〜2年周期で公表されます(衛生行政報告例の就業医療関係者は隔年、医師・歯科医師・薬剤師統計は2年ごと、病院看護実態調査と賃金構造基本統計調査は毎年)。新しい公表を確認し次第このページを更新し、末尾の最終確認日を改めます。
平均年収などの数字が他サイトと違うのはなぜですか?
集計方法の違いです。当ページは政府統計・公的団体調査のみを使い、算出方法(例: 月額給与×12+賞与の単純換算)を明示しています。民間サイトの数字は自社登録者の集計や独自推計であることが多く、母集団が異なるため単純には比較できません。どちらが正しいというより、出典と算出方法を確認して読むことをおすすめします。
まとめ
- 就業看護師は1,363,142人で過去最多。一方で准看護師は8.4%減と、構成が看護師へ移っている(2024年末)
- 看護師の夜勤手当は二交代11,470円/回で、15年間ほぼ横ばい。「頭打ち」感の構造的な背景
- 新卒看護師の離職率は8.4%。1年目で職場を離れることは統計的に珍しくない
- 届出薬剤師は329,045人。薬局へ+3.5%、医薬品関係企業は−7.8%と、職場は調剤側へ移動中
- 薬剤師の人口10万対には徳島256.6人〜沖縄155.3人の約1.6倍の地域差があり、国が偏在指標を設定している
- 紹介手数料の実勢は決定年収の2割前後。エージェントの仕組みを理解して使うための前提となる数字
数値はすべて記載の一次資料で確認しています。最終確認日: 2026年9月1日。
関連記事: 看護師の給料はなぜ頭打ちになるのか|構造の理解と、上げるための3つのルート
関連記事: 地方で働く薬剤師という選択|U・Iターンで条件が変わる理由と、決める前の確認事項
関連記事: 企業で働く薬剤師は減っている|統計で見る製薬・卸への転職の現実と、調剤経験の生かし方


